起業支援の仕事をしていて、一番多いお話しが「良い物件があったら教えてください。」「良い物件があれば起業します。」というものです。
しかし、こちらから「どのような物件がお客様にとって『良い物件』ですか？」と聞いても曖昧な答えしか返ってこないことがあります。
この段階ですと、私どももお手伝いすることができません。
そして、駅近の人通りの多い場所の路面店が必ずしもあなたの業種に最適かどうかはわかりません。
まず、あなたの起業の強みを分析し、それを活かすにはどんな物件が必要なのかという考え方で進めてみてください。

通常、融資実行（開業者の口座に金融機関からお金が振り込まれる）の前には、賃貸借契約書や売買契約書のコピーが求められます。

■賃貸の場合

賃貸の場合、物件によって取得費用が大きく変わります。また、不動産の契約を交わす当日までに必要な「不動産取得費用」は、融資でまかなうことは現実的にかなり難しく、現金で事前にご用意しておく必要があります。余裕をもった資金計画をしましょう。

■売買の場合

売買の場合、現金で先に必要なのは手付金と仲介手数料程度です。決済のときに、融資の手数料や登記費用などが発生します。

居抜き物件で初期投資を低く抑えることを検討する方も多いのですが、居抜きの状態のまますべて使えることはあまりありません。クロスなどの内装や、業種業態に合わせたレイアウト変更などが必要になってくるケースがほとんどです。

■スタッフの確保

人がそろってないから起業に踏み切れないという方がいらっしゃいます。
大丈夫です。あまり気にする必要はありません。大手チェーンでさえ、「現地でアルバイトを先に募集して集まったら物件取得する」なんてことはしません。
知人に声をかけているけど、曖昧な返事しかもらえないというご相談も聞きます。
でも大丈夫です。まったく気にする必要はありません。
そもそも起業するかどうかもわからない人についてくる人はいません。

■ご家族の理解

人員の心配より、一番大切なのはご家族の理解です。業種にもよりますが、起業当時は本当に忙しく時間的にも精神的にも大変な時期が続きます。そんな時、やはり一番頼りになるのはご家族です。
必ず事前に説明をし、理解を得るよう努めましょう。